猪狩窯さんの工房にはじめてお邪魔したのは、しんしんとボタン雪の降る冬の日でした。
小高い坂の上にある趣のある家屋の前で、猪狩さんご夫妻と、3歳のうららちゃん、1歳のひかるちゃん一家総出で迎えてくださいました。
新庄川焼 猪狩窯さんの工房は、四国山地に抱えられた高知県の中西部に位置する津野町にあります。約90%が山林で占められ、近くには清流新荘川が流れる大自然に恵まれた地域です。
深呼吸するたびに悠々とした時間の流れを感じることができる、そんな贅沢な空間にしばし浸っていると・・・
うららちゃんが絵本や紙風船などの大事なおもちゃを、持ってきては見せてくれました。
あれ?よく見るとうららちゃん・・・素足!?
雪の舞う氷点下の寒さに震える私を尻目に、平然としたお顔のうららちゃんでした。偉いなぁ。

猪狩さんは福島県のご出身。陶芸を続けながら茨城など各地を 転々とされ、25年前に現在の高知県に落ち着くことになったそうです。
7年ほど前から、高知の有名な日曜市に作品を出品するようになったそうですが、その日曜市で、関西出身の奥様である寛子さんと知り合ったのだそうです。素敵な出会いになんだか感動してしまいました。
塩つぼの誕生は、おいしい天日塩を大切に保存できる容器がほしいと、海工房の代表西隈さんからご依頼を受けたことがきっかけ。
台所で保存するとどうしても湿気で固まってしまう、お塩やお砂糖などの調味料。 塩つぼは、通気性を残して素焼きすることにより、サラサラで固まりにくい状態で保存できるよう工夫した、毎日の暮らしを考えた容器なのです。
用の美を感じさせるシンプルな形もあいまって、その評判は地元の主婦の方々によってクチコミで広がり、猪狩さんの塩つぼはたくさんの方に愛用されるに至っています。
猪狩窯さんの作品の中には、遺跡からでてくる土器を思わせるような、素朴な形の土笛もあります。
猪狩さん自ら、その場で演奏してくださいました。
土のあたたかさがそのまま出ている、深くて透き通るような音色に感動。 形から想像できるどの音よりも懐かしくて、情緒あふれる笛の音を楽しませていただきました。
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