天の川工房 宮崎朝子のヘンプ(麻)草木染 手織の世界
「ヘンプ・麻」を大地の色に染めて織る・・・。
一度目にしたら、忘れられない風合いの作品たち。
天の川工房【染織作家 宮崎朝子】の一点ものをご紹介します。
天の川工房で作られるバッグやストール、ワンピースは、ヘンプ(麻)という日本古来から
親しまれている素材と向き合い、自然を映し出した色作りをすることからはじまります。
身近な草花を材料に染めた麻糸。
微妙な色合いを再現するために、手間を惜しまず何度も重ねぞめすることもあります。一般的には布が完成した後で染めの作業をするのですが、天の川工房では糸の状態で染める先染のため、色落ちしにくい布に仕上がります。
糸を機にかけ、手織りして、麻生地を作る。
ひとつひとつの織り目が美しい、手織りならではの質感を大切にしています。麻は非常に折りにくい繊維といわれています。 巻き取りにくく、伸びない、毛羽立つなどが原因ですが、一旦布にしてしまうと、最高に使いやすいのが麻布なのです。
ヘンプ(麻)は、通気性がよく干すとあっという間に乾き、湿度の高い日本の風土に合った布です。最初は固めですが、使い込むほどに柔らかくしなやかに馴染んでいくのは、ヘンプならではの独特の質感です。
細部まで手縫で仕上げていく。
できるだけ手業で製作しています。 小物は仕上げまで手縫いにこだわって、布に馴染む縫い目をアクセントにしています。手作りの風合いを大切にした作品を作っています。
古来より、日本人に生活のあらゆる面で親しまれてきたヘンプ(麻)は、「衣食住」にわたって余すところなく使うことが出来ます。
成長が早い1年草で栽培が比較的容易であり、農薬等が必要ないことからも、究極のLOHAS植物と言われています。
ヘンプについて>>
クリックすると拡大画像が見られます↑
【天の川工房】の宮崎朝子さんは、県内外を問わずファン・リピーターを多くお持ちの染織作家さんです。
プロフィール
1959年 福岡県に生まれる
1986年 東京で手織を習い始める
(馬場きみ先生に指示)
1989年 愛媛に移り、明浜町の狩浜絣(かりはまがすり)を習う
1994年 松山 タナカギャラリーで初個展
1995年 サンフランシスコ The Luggage Store Gallery で二人展
以後、愛媛各地で個展
2000年 原宿 Kalo Kalo House で二人展
2001年 星が丘アートヴィレッヂで個展
高知(中土佐町)に移住
以後、高知・愛媛で個展
2007年 岡山(倉敷)でヘンプ(麻)の紙と布展
ブログ
天の川工房
〜僻地発 くらしとしごと〜
http://amanogawa314.jugem.jp/
のどかな里山の風景が残る、高知県の中土佐町。
海沿いを走り、久礼の大正市場や黒潮本陣を越えて、いのししの出る山道を30分ほど走ると、「矢井賀」という海沿いのしずかな集落に着きます。
染織作家の宮崎朝子さんは、海と山に囲まれたこの地に一軒家の工房をかまえられて、日々、染めの色作りからはじまる長い制作工程を楽しみながら、活動をされています。
すべての工程をお一人で長い時間をかけて行うため、どの作品にも宮崎さん自身、愛着があるそうです。こだわりのつまった色彩・風合いは、どれも写真ではお伝えしきれない魅力のある作品たちです。
『元々絵が好きで、自分の色を作りたい、ということからはじまった草木染め。
染め重ねていくと、色に深味が増してくるのできりがないし、毎年新色を作るべく新しい染材料に挑戦しているのでこれまた、きりがない作業です。
素材もいままでいろんなものを試してきましたが、織りあがった布の質感としてはヘンプ(麻)が一番好きです。織りの作業としては、麻が最もむずかしいのですが、(繊維が伸びないし、毛羽立つので、巻き取りにくい、織りにくい)使い込むほどに、しなやかでやさしい布になっていきます。
通気性がよく、あっという間に乾くので、湿度の高い日本には最適です。組み合わせて(冬はウール・絹と)一年中使ってください。 毎日使って、使い込んで味が出てくるのが手織の良さなので、日常の中で身につけられるもの、使えるものづくりをしています。
小物類は全部手縫いをしています。 ミシンだと、手織の風合が損なわれるし、気に入らない時ほどけないし・・・。手縫いでも返し縫いで一目一目しっかり縫っているので、とてもじょうぶです。
こんなものがあったら、というリクエストもお気軽にどうぞ。(メール問い合わせにて受付いたします) 』
天の川工房 宮崎朝子
【糸染め】
1.材料を採りに行く
例)ビワの枝→樹皮をはぐ
桑の枝葉→こまかく切る
2.材料を水から煎じる
3.ざるでこして染液を取る。
2.3.を3〜4回繰り返し、染液を作る
4.あらかじめ水で濡らしておいた糸を浸し、煮染めする
5.一晩置く
6.媒染する
7.水ですすいで、同じ染液にもどして、煮染めする
8.一晩置く
9.水ですすいで、陽に干す
以上の工程を2〜4回くりかえし、好みの色にする
【糊付け】
※毛羽だって織りづらい糸を落ち着かせるため
1.乾いた糸をふのりの液につけて、よくしぼる
2.陽に干す
【糸巻き】
糊付けした糸を玉に巻く
【整経】
織る布の長さ・幅・密度を決めて、たて(経)糸を取る
【機にかける】
1.たて(経)糸を巻き取る
2.綜絖(そうこう)通し (400〜700本)
3.筬(おさ)通し
【織り】
【仕上げ】
1.織りあがった布を機からはずし、湯通しする
2.陽に干す
3.スチームアイロンをかけて、布目を整える
【縫う】
染めについて
この家に昔からあるカマドを復活させました。
天の川工房の染色はこのカマドでしています。
染料の煮出しは少しの薪でゆっくりと。糸を染めるときも沸騰後は
おき火で長時間高温を保てるので色素の定着がいいです。
薪の確保は大変ですが、カマドにしてから染めの作業が楽に楽しくできるようになりました。
薪の火ならではの柔らかな色合いをお楽しみください。
染色例:ラックダイ(ビルネマム)
現在、 地下資源(石油等)に変わりうるバイオマス(植物資源)として、
現在世界的に脚光を浴びている素材『ヘンプ=麻』。
アサ科の一年草であるヘンプ(麻)は、農薬や化学肥料を必要とせず、
栽培管理がしやすいうえ、約25000種類もの生活用品ができるといわれています。
持続可能な循環型植物資源として、『健康と地球環境意識の高い
ライフスタイル=LOHAS』的観点からも、大変魅力ある素材であり、
注目を集めています。
→ヘンプ(麻)素材の特徴 ・・・NPO法人ヘンプ製品普及協会「麻心ヘンプ商品カタログ」より引用
○エコロジー&オーガニック
農薬や化学肥料を必要とせず、雑草や害虫に強い作物であり、栽培管理がしやすい。
○25000種類の工芸製品・生活用品ができる
衣類・紙・化粧品・食品・健在・燃料・プラスチック・医薬品・など石油と森林資源に
代わるバイオマス(生物資源)として注目されています。
○日本の風土や文化に根付いているもの
麻といえば、縄文の昔から大麻のことをいい、人名や地名にもなっています。
○大麻=麻薬という日本の常識は世界の非常識
EU諸国・カナダ・オーストラリア等の先進国では、大麻の有効性と可能性に気づき、
工業用栽培が解禁されています。日本とアメリカだけが工業用栽培が許可されていません。
NPO法人 ヘンプ製品普及協会 公式サイト
|